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指定管理者が期間中2度目の不渡りを出した場合、指定取消し日はいつにするべきでしょうか、またその根拠法令等はあるのでしょうか。取消しまでの期間に損害が生じた場合の賠償責任はどこになるのでしょうか


 はじめにお断りですが、倒産に関する実務については、施設の特性、利害関係者、基本協定書・年度協定書などの契約状況などにより、対応が異なります。下記の回答だけではなく、必ず、専門の弁護士等に相談してから、対策を講じてください。

 さて、指定管理者に限らず、法人が6か月間に2度の不渡手形を出すと「銀行取引停止処分」を受けます。こうなると銀行口座からの出金ができなくなる(ただし金融機関への債務が全くない場合は普通預金口座のみ出金可能)ため、ほぼ100%、当該法人は事業継続不能、つまり倒産します。厳密には、2度目の不渡りと倒産には多少のタイムラグがあるのでしょうが、通常は、「2度目の不渡り」イコール「倒産」と解釈されています。

まず、ご質問の件のうちの指定管理者の指定取消日についてですが、「地方自治法(第244条の2 第11項)」も「○○市公の施設に係る指定管理者の指定手続き等に関する条例(第7条)」も指定管理者の指定取り消しについては、末尾が「しなければならない。」ではなく、「命ずることができる。」という表現になっています。これは、法令で一律に取消要件や取消日を定めるのではなく、指定管理者の指定取り消しについての一定の裁量権が自治体の長にあるということです。したがって、法令でいつまでに取り消さなければならないという明確な規定はなく、自治体の長が適切な時期に適切な判断を行えばよいということになります。

 とはいえ、通常、規則や募集要項等で指定管理者の欠格条項が定められています。2度の不渡手形を出した法人や民事再生法・会社更生法適用期間中の法人は、おそらくは、指定管理者の欠格条項になっているでしょうし、ましてや連絡がつかない、すなわち指定管理者としての義務を果たしていないという状況になっているのですから、速やかに指定管理者の指定を取り消すことが適切な判断なのではないかと個人的には思います。

 損害賠償の件についてですが、指定管理者と連絡が取れないということなので、すでに当該施設は臨時休業している、もしくは一時的に市が直営しているのではないかと思います。一般的には、臨時休業していればその間の使用料・手数料収入や休業に係る広報費用などを、直営しているのであれば直営費用などを損害賠償として指定管理者に請求することが可能です(指定管理料は前金払いや概算払いは行っていないでしょうから返還請求の問題は発生しないと考えられます。)。また、指定管理者に指定してからの時間が短いのであれば、指定管理者を再公募するための費用も請求できる可能性がありますし、基本協定書に自治体が被った損害とは別に、違約金的性格の「ペナルティ」が規定されている場合は、「ペナルティ」も当然請求できます。

 しかしながら、これらの債権は、税金のような公法債権ではなく、優先順位が低い債権で、請求しても、また、倒産後に財産を処分する破産手続きが実施されたとしても、全く回収できないあるいは微々たる額しか回収できない可能性が高いと考えられます。したがって、損害賠償を請求するよりはむしろ、今後の損害(被害)をなるべく少なくするということに重点をおいたほうがいいように思います。

 ここから先は、問題が複雑なので、冒頭でお願いした通り、専門の弁護士に相談していただきたいのですが、例えば、施設に残っている備品類の所有権が自治体に帰属するか指定管理者に帰属するか明確になっているでしょうか。破産などの司法手続きに入ると、自治体の備品台帳に記載されていないものは、指定管理者に所有権が帰属すると判断される可能性があります。こうなると、競売対象物件になり、施設を再開する場合に新たに取得する必要があります。
 また、指定管理者が専用の口座で管理している使用料収入(利用料金制でない場合)は、自治体の歳入を一時的に預かっているにすぎないので(損害賠償等とは異なり)、手続きを踏めば、回収できる可能性があるかもしれませんし、観光施設のクーポン利用収入など後払いの使用料については、振込先を自治体の口座に変更してもらえば、被害の拡大を防ぐことが可能です。
 他にも、指定管理者が所有するパソコンやUSBメモリーなどに施設管理運営に必要不可欠な情報が保管されているとすれば、これらの情報を取り戻さなければなりません。これも、一定の手続きが必要なのではないかと思います。

 おそらく、まだまだ多くの複雑な問題が想定されます。繰り返しになりますが、必ず専門の弁護士に相談して、どのような事態が発生しうるか、また、発生した場合に備えてどのような対策を講じることが可能かを整理し、できることから対策に着手してください。指定管理者に損害賠償やペナルティの請求を行うのは(指定管理者と連絡が取れないのですから)、それからでも(極端にいえば、破産管財人に請求するのでも)遅くないのではないかと思います。
 

回答:東條 圭
(株式会社ブレインファーム 外部コンサルタント)
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