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指定管理者制度Q&A

指定管理者として、どのような評価制度を設けることが望ましいのでしょうか。また、実績が良ければ、それを評価して次期の公募時に優遇されるという事例はないでしょうか。


指定管理者の業務については、所管する自治体で事業評価制度を設け、評価を行っていることが一般的になってきています。しかしそれだけではなく、現在実施している管理運営内容が適切かどうかを把握するために、自分たちの事業内容を客観的に評価する何らかの制度を設け、それを改善に役立てていくことは、マネジメント力の強化のためにも、コンプライアンスを徹底する上でも好ましいことですね。


 指定管理者自らが取り入れる評価体系としては、大きく分けて ①自己評価 ②利用者評価 ③第三者評価が挙げられます(②を③に含める場合もあります。また、全てを指して自己評価と呼ぶ場合もあります)。


【 ①自己評価について 】
 ①の自己評価としては、指定管理業務だけではなく、受託業務など全ての業務を対象に、団体として目標管理制度(MBO)を導入する場合が、代表例として挙げられます。ただ、民間企業としては当たり前のことでも、外郭団体としては目標管理制度に対する取り組みはあまり進んでいないため、指定管理業務だけを対象に評価制度を導入することが、まだまだ多くなっています。その場合は、「来場者数」「稼働率」「利用料金」「(レストランや売店など付属施設の)客単価や購買点数」など、事業運営の進捗状況を客観的に把握することができる指標を複数選び、それを定期的にチェックして、適切に推移しているかどうかを検討することになります。
 現状を適切に把握するために評価するのですから、会議室が複数あったり、スポーツ教室がたくさんある場合などは、各室や教室ごとにチェックしていかなければ意味がありません。また、自主事業、特に講座などの教育・啓発的な企画事業を豊富に行っている施設の場合には、企画意図が達成できたかといった主観的な要素を評価指標として取り入れる場合もあります。


【 ②利用者評価について 】
 ②の利用者評価は、指定管理者の公募に際して必須項目となりつつあるものであり、意見箱やアンケートなどを活用して、利用者の満足度などを把握する方法です。この場合、②とは違い、「満足・不満足」や「楽しい・楽しくない」、「ためになる・ならない」などの、利用者の主観的な評価も、3段階~5段階の指標としてデータ化し収集することになるため、①と②の両方があいまって、結果+感想の両面からの評価体系ができあがることになります。
無人施設などアンケートを採取しにくい場合や、展示会のように日によって利用者属性がかなり異なる場合などは、会員や核となるリピーターの方を招いて、年に数回フリーディスカッション方式の座談会を開催する、という方式を導入している事例も少なくありません。 


【 ③第三者評価について 】
 ③の第三者評価とは、職員でもなく、利用者でもない、第三者によって事業内容を評価してもらう方法です。具体的には、事業内容に関係する分野を研究している学識経験者等を招聘し、事業内容(この場合は特に、維持管理面よりも事業管理面)について、アドバイスをいただく、という方式です。特に、文化や生涯学習、男女共同参画など、専門性のある教育的効果を発揮すべき施設で見受けられる方法です。


 これらの①~③を組み合わせて評価体系を構築することが望ましいでしょう。一般的には、①+②を、毎月1回実施し、施設種別によっては③を年1回行う、という事例が多いように思われます。


 なお、これらの評価制度を体系化して導入する場合に大事なことは、何でしょうか。それは、「評価のために行う」のではなく、「改善ポイントを見つけるために行う」、という基本姿勢を確立することだと考えています。


そもそも、「評価のため」が第一義となると、チェックされると身構えた職員の方の反発を招いたり、アンケート採取だけで満足して分析・検討がなおざりになったり、評価のためのデータ化・指標化に手間をかけすぎてしまったりして、改善のための検討が後手に回ってしまいかねません。
しかし、「改善※のため」に評価を行うのであれば、「誰がやったか」ではなく「次はどうすれば」が重要になりますし、アンケートを採取すれば、少しでも早く結果を検討したくなるものです。評価のための評価に、比重をかけすぎることもなくなるでしょう。
(※ちなみに、ここでいう改善とは「悪いところを良くする」ということだけではありません。「良いところは、常に同じ結果が出せるように、仕組みを整備し情報を共有する」ということも、立派な改善です。評価=悪いところ探し、と勘違いされませんように)


また、「改善」を意識した評価を行おうとすると、たとえば「せっかくだから、利用者アンケートで年齢と来場時間帯を尋ね、クロス集計したデータを元に、より来場が見込める事業企画に役立てようかな」といった発想が強化されます。つまり、マーケティング発想が強化されるわけです。これこそ、事業評価を導入したことの一石二鳥の効果ですね。


【 実績による優遇策の事例について 】


ご質問のように、実績が良ければ次期の指定管理者公募に優遇される、という制度を導入する自治体もでてきました。例えば、北九州市では、指定管理者の事業報告書、利用者アンケート、モニタリング結果、指定管理者からの意見聴取などを基に所管局と評価部会が5段階で評価を行い、その結果が良好であれば、良好度合いに応じて、次期指定管理者の公募時に加点する(最大30点)、という制度を導入しています(他にも、同趣旨の制度導入を検討している自治体が複数あるようです)。
一見すると、現管理団体に有利な内容に思えますが、逆に、評価結果が悪ければ次回選定時に指定管理者候補として選定しないこともある、ということもルール化されており、うまくこの制度を活用すれば、ダメな管理者には退場してもらい、優れた管理者にはずっと活躍してもらえる制度ができていく可能性もあります。
そうすると今後は、指定管理者制度をうまく活用して、「安定した成果が出せる優れた管理者を継続する」のか、「次々に新しい管理者にチャンスを提供してより良い管理運営を目指す」のか、施設の種類や地域事情なども勘案して、それぞれの自治体の個性がでてくるのかもしれません。


いずれにせよ(すぐ上の段落は自治体の「評価」を指していますが)、自分たちが行っていることを、自分たちで振り返って次にもっと良いものに昇華するために何らかの事業評価制度を導入し実施することは、マネジメント力を高め、より良い成果を出せる組織へと変革するための第一歩です。ますますのご活躍を期待しています。


回答:中小企業診断士 新谷 聡美
(認定指定管理者コンサルタント)

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